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〈この連載について〉
スズショウ・アンナのクロスやユニフォームはすべて自社企画。創業以来、一貫して国内生産でお届けしています。「丁寧なものづくり」は日本の持ち味だからです。そんな私たちのこだわりに共感してくださる吉川千明さんを迎えて、「日本のものづくり」「ナチュラル」「ローカル」をキーワードにおすすめのアイテムをご紹介していきます。
サロンの皆さんの毎日を応援する連載ですので、ブレイクタイムにゆるりとご堪能ください。北海道から沖縄まで。風景や空気感も一緒にお届けします。

Profile

美容家・オーガニックスペシャリスト
吉川 千明(よしかわ ちあき) 

広く深い知識と豊富な経験を生かし、美容、食、漢方、女性医療など、ナチュラルで美しいライフスタイルを様々な角度から提案。ナチュラルビューティーの第一人者として活躍の場はコスメのプロデュース、サロンのコンサルティング、講演など多岐に渡ります。

認定メノポーズカウンセラー
CIDESCOインターナショナル国際認定エステティシャン&アロマセラピスト
NPO法人「更年期と加齢のヘルスケア」認定メノポーズカウンセラー
日本アロマ環境協会認定 アロマテラピーインストラクター
CIDESCO認定インターナショナルアロマセラピスト&エステティシャン

 

株式会社みんなの奥永源寺
代表取締役社長

前川 真司 (まえかわ しんじ)さん

1987年生まれ、兵庫県宝塚市出身。中学1年で高知県の大川村に山村留学。高校では農業技術を学び、大学では農業経済を学び、渡米してUCLAに留学。在学中に南米、ヨーロッパ、アジアを回り世界の農業問題、環境問題に触れ、2011年帰国。滋賀県東近江市の八日市南高校で教鞭を取るなかで、万葉の時代から東近江市に受け継がれてきた「ムラサキ」と出会う。2014年、教職を離れ地域おこし協力隊へ。2017年に株式会社みんなの奥永源寺を設立。現在は、環境省が提唱する「地域循環共生圏(日本版SDGs)」の確立に向けて、日々活動しています。




今年も全国的に暑い夏でした。少しずつ空も高くなり、秋の気配を感じるようになりましたが、肌や髪は季節を後追い。夏のダメージが出てくるのはこれからです。そこで今回は生薬として使われてきた紫根の ” 治癒力 ” に着目したブランドをご紹介したいと思います。「ムラサキノオーガニック」と言います。6つのアイテムがありますが、ヘアスタイリストのみなさんに何よりご紹介したいのは「スカルプエッセンス」。紫根の抗菌・抗炎症作用で頭皮環境を健やかに整える養毛料です。
 

↑ 30代前半。明るくて堂々たる風格!の前川さん。農業高校の先生から、今は究極の植物コスメに挑みます

  吉川 まずは今回ご一緒していただく前川真司さんのご紹介を。12歳で山村留学。アメリカ留学中には、世界各国の農業を見て回った、フットワークが軽くて、行動力の塊のような方です。

前川 みなさま、初めまして。「中学で山村留学」のことはよく聞かれるんですが、小さい時から動植物が好きだったことと、小学1年のときに起きた阪神淡路大震災が僕を農山村へと導いてくれました。3年近く仮設住宅で暮らして、都会が抱えるもろさを感じたんです。「人が生きる上で大事なのは農業と農村だ!」って思っちゃったんですよね。それで両親に談判して、高知県の大川村に山村留学しました。離島を除いて日本で一番人口が少ない村へ 。地域の人に良くしてもらい自然との調和を体感し、農業の可能性を追求するようになりました。

吉川 宝塚から12歳で一人山村へ。ご両親の理解も素晴らしいですね。そして今は滋賀の限界集落と言われる場所に移住して、地域の活性に務めていらっしゃるという。もともと滋賀には農業高校の先生として来られたんですよね。

前川 はい。その高校で、今回ご紹介したい「スカルプエッセンス」の主要成分となる「ムラサキ」に出会いました。現在は「ムラサキ」の栽培に入れ込みながら、環境省が提唱する「地域循環共生圏(日本版SDGs)」の確立に挑戦しています。

吉川 ではその入れ込んでいる「ムラサキ」のお話から! 今日は私が質問をして、前川さんにお答えいただく形で進めようと思います。
Q「まず、ムラサキってどんな植物? 」


↑ 花は真っ白、根は紫

前川 「ムラサキ」は漢字では「紫草」と書きます。分類学上は「ムラサキ目・ムラサキ科・ムラサキ属」。ほかに仲間はいません。世界最古の農業書「斉民要術」にも登場するほどの植物なのですが、現在もわからないことだらけ。世界中の研究者が解明に取り組んでも生態が謎すぎて、この植物だけの分類がされ、単一行動をとっております(笑)。

吉川 なんて興味深い。

前川 そして上の写真、左が花で右が根っこです。根っこは「紫根(シコン)」と呼ばれ、古くから漢方の成分として使われてきました。紫根は染料としても優秀で、聖徳太子が定めた冠位十二階最高位の紫色に染まることから「ムラサキ」という名前がついたそうです。




↑ 紫の袈裟の色は紫草の根の色だった。この紫の色こそが、人の肌の役に立つ

吉川 紫根は高貴な色の染料として今も袈裟などに用いられていますよね。それと生薬としてだけでなく、化粧品の成分としても優秀です。ただ配合されているのは、中国産か韓国産紫根エキスです。

前川 はい。ムラサキは栽培が難しく、日本ではもはや絶滅危惧種です。万葉集や日本書紀にもその名が出るほど古い歴史があって、近江八幡から東近江の平野部には野生のムラサキがたくさん咲いていたのに。環境省のレッドリストにのっているのが実情です。

Q「ムラサキが絶滅の危機にいたった原因は?」

前川 地球温暖化が原因の一つと言われています。今の東近江市の平野部の環境では発芽率3%。その芽を集めて栽培しても生存率は5%。ほぼほぼ枯れちゃいます。

吉川 100株植えても5株しか育たない??

前川 それが、琵琶湖の源流「奥永源寺地域」の気候だと3〜5割くらい育つんですよ。「ムラサキ」は実は東近江市の市の花でもあり、万葉集にも詠われた花を絶滅させてはならないということで、私が東近江市に来る50年も前から、市民活動として原種のタネを東近江市内で育てる取り組みを行っていました。

吉川 5%から3割、5割はすごいですね。

前川 標高が450mあって空気がきれいで、涼しいこと。斜面を活用しているので水はけがよいことも上手くいった理由かと。ただ、毎年うまくいくとは限りません。今年のように毎日雨が降っている状況だと、すでに半分以上が「根腐れ」です。3割、無理かもしれません。


↑  前川さんは、宝塚市から、ムラサキという植物が好んで育つ日本一の限界集落へ

Q「収穫は不安定。それでも教職を離れてまで、
前川さんがムラサキの栽培に情熱を傾ける理由は?」


前川 「ムラサキ」の希少価値に感動し、地域の宝にするべき、できるはずという思いがあるからです。東近江市の地域おこし協力隊の募集があって就任できたのもタイミングがよくて、地域の内外、みんなにとって価値のある奥永源寺地域にしていくことが僕の役目だと思っています。会社設立にあたっては100人もの地域のみなさんが資金集めに協力してくれました。

吉川 だから会社名は、株式会社みんなの奥永源寺と。

前川 はい。そして「ムラサキノオーガニック」は弊社と東近江市役所と八日市南高校と、加工業者さんとデザイナーによる「産官学創」が連携したプロジェクトの結晶です。もとは茶畑で、耕作放棄地となってしまったところを開墾してやっております。もともとこの辺は銘茶「政所」の産地でもありました。土壌が豊かで、水はけのよい斜面も多いんです。

↑ 地域の人たちと協力して紫根の保護と栽培に挑みます

Q「さてさてそのムラサキノオーガニックですけれど、 誕生したのは2018年。
華々しいデビューイヤーでしたよね」


前川 環境省主催のグッドライフアワードで「サスティナブル・ビジネス賞」をいただいたり、パリのルーブル美術館で開かれた世界最大級の化粧品展示会に日本を代表するオーガニックコスメに選ばれて出展したり。とてもよいスタートを切ることができました。化粧品の原料として買い取ってもらうつもりで訪れた先で、「素晴らしい植物を栽培しているんですから、地域のブランドとして出したらどうですか」という提案をいただいたことが製品化につながりました。本当に感謝しています。


 

Q「では、そろそろ商品のお話に。紫根エキスにはどんな効果が期待できますか」

前川 それは私が答えるより吉川さんからぜひ。

吉川 そうですね(笑)。みなさん、「ムラサキ」はドイツ語で何て言うと思いますか。正解は「ボラギノール」。聞いたことのあるお薬の名前でしょ?紫根は殺菌・抗菌作用にすぐれ、火傷や痔の治療にも使われるほど皮膚の修復効果が高いんです。つまり若い世代のニキビから、年齢を重ねた肌のメラニンケア、リンクルケアまで。オールOKというわけです。

吉川 それと紫根はアブラととても馴染みが良くて。紫雲膏という漢方のお薬は、ブタの脂に紫根を溶かした軟膏です。そしてこの色。植物のフィトケミカルは色に意味があるんですけれど、紫根の赤紫色は抗酸化作用の源だと思っていただいたらいいです。「ムラサキノオーガニック」の淡いピンク色も、紫根エキスの色です。そして紫根エキスをいちばん配合しているのが…

前川 「スカルプエッセンス」になります。

Q「では、最後にスカルプエッセンスのご紹介を」

↑ムラサキノオーガニック スカルプエッセンス(養毛料) ¥3,960(税込) 

前川 紫根には「養毛促進作用」があるという話があり、実際に多くの育毛剤に紫根エキスが配合されています。ただ、良好な頭皮あっての養毛です。なのでうちでは紫根のもつ「抗菌・抗炎症作用」が頭皮環境を健やかにし、抜け毛の原因の炎症や皮脂による菌の増殖などを抑えてくれた結果、「養毛環境が整う」と説明させてもらっています。

吉川 育毛作用があると言われている6つの植物エキスもすべて国産にこだわっているのも特徴ですね。私はデスクの上に置いて、パソコン作業で凝った頭に使っています。ペパーミントのすーっとした感触のバランスも好きです。

前川 薬機法がありますので効果効能を一切表現できないのが歯痒いところですが、すでに導入して頂いている美容室では飛ぶように売れておりまして。

吉川 おぉ、それは励みになりますね! 私も機会があるごとにご紹介していきたいと思います。地域の環境を一切汚染しないSDGsコスメとしてしても、時代をひっぱっていってくださいね。

前川 ありがとうございます。「ヨソモノ・ワカモノ・バカモノ」の自分ですが、大事に守って育ててきた地域資源に出会わせてもらい、この宝を100年先に繋げられるようやっていきたいと思います。ムラサキが咲き誇る循環型社会をみんなで目指します。

吉川 今回は絶滅危惧種とか限界集落とか耕作放棄地とか。重たい言葉も出てきましたが、3つの課題を掛け合わせたら希望や可能性が生まれたストーリーもお伝えしたく、「ムラサキノオーガニック」をご紹介しました。植物の美容家としては、「ムラサキ」が絶滅危惧種のリストから外れる可能性が出てきたことも、喜ばしい限りです。「スカルプエッセンス」ぜひみなさん一度お試しください。

2021.8.30(文/野村始子 写真提供/株式会社みんなの奥平源寺)


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