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〈この連載について〉
スズショウ・アンナのクロスやユニフォームはすべて自社企画。創業以来、一貫して国内生産でお届けしています。「丁寧なものづくり」は日本の持ち味だからです。そんな私たちのこだわりに共感してくださる吉川千明さんを迎えて、「日本のものづくり」「ナチュラル」「ローカル」をキーワードにおすすめのアイテムをご紹介していきます。
サロンの皆さんの毎日を応援する連載ですので、ブレイクタイムにゆるりとご堪能ください。北海道から沖縄まで。風景や空気感も一緒にお届けします。

Profile

美容家・オーガニックスペシャリスト
吉川 千明(よしかわ ちあき) 

広く深い知識と豊富な経験を生かし、美容、食、漢方、女性医療など、ナチュラルで美しいライフスタイルを様々な角度から提案。ナチュラルビューティーの第一人者として活躍の場はコスメのプロデュース、サロンのコンサルティング、講演など多岐に渡ります。

認定メノポーズカウンセラー
CIDESCOインターナショナル国際認定エステティシャン&アロマセラピスト
NPO法人「更年期と加齢のヘルスケア」認定メノポーズカウンセラー
日本アロマ環境協会認定 アロマテラピーインストラクター
CIDESCO認定インターナショナルアロマセラピスト&エステティシャン



株式会社SouGo
代表取締役社長

北條 裕子(きたじょう ひろこ)さん

国産カモミールにこだわったスキンケア商品「華密恋」の製造・販売と、独自の厳しいガイドラインを規約とするビオホテルジャパン認証第1号の「八寿恵荘」を運営。障害などを持つアーティストに光を当てて、共に生きる社会を見つめる「深川アートパラおしゃべりな芸術祭」の代表理事も務めています。八寿恵荘ではアレルギー専門医の協力を得ながらアトピーや喘息の子が参加できる宿泊ツアーや、乳がんサバイバーツアーなども行われています。

前回はハマナスの花畑からでしたが、今回はジャーマンカモミールのハーブ農園から。6月某日、私は長野県北安曇郡池田町にある「カミツレの里」を訪れました。何度も訪れている場所ですが、満開の時期は初めて。お天気も最高でした。ほんのり甘くフルーティーな香りをお届けできないのが残念ですが、ジャーマンカモミールの効能にじっくり迫ってみたいと思います。ご一緒していただいたのは、国産カモミールにこだわったスキンケアブランド「華恋」を展開する(株)SouGoの北條裕子さんです。




ジャーマンカモミールは、母なる薬草「マザーハーブ」です。



吉川 北條さん、今日はよろしくお願いします。圧巻の光景ですね。香りも素晴らしくて、空気までカモミール。しかも新鮮。なんだかアロマセラピーを受けながらお話を聞く感じです。

北條 この満開の時にお越しいただけて、私自身、とても嬉しいです。リラックス作用も抜群のカモミールですから、空気もたくさん吸っていってくださいね。

吉川 ありがとうございます。カモミールってこんなに可愛い花を咲かせながら、実はパワフル。「マザーハーブ」と言わしめるほどの効能がある、素晴らしい植物ですよね。抗炎症作用にストレスの緩和、保湿、日焼けによるシミの予防、しっしんの鎮静などなど。ハーブティーや入浴剤を味方につければ、体が芯から温まり睡眠の質もぐっと高まるし。

北條 ヨーロッパでは風邪で病院に行くと、ハーブティーが処方されることがあると聞きました。クレオパトラは白肌と髪のツヤを保つために愛用していたようで、文献が残っています。

吉川 クレオパトラはバラのイメージですが、カモミールも (笑)。

カモミールエキスの抽出から始まった、「華密恋」ブランドヒストリー。



吉川 さてさて、カモミールの効能をご紹介したところで、次は「華恋」のお話を。「何て読むの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

北條 「カミツレン」と読みます。カミツレからの命名ですが、カミツレはジャーマンカモミールの和名。歴史は1982年に入浴剤からスタートして、39年目に入りました。すべての製品に農薬不使用、有機肥料で栽培した国産のカモミールから抽出したカミツレエキスを贅沢に配合しているのが最大の特徴です。あらゆる方にお使いいただけるよう、肌に余計なものは一切入れないポリシーでやっています。合成の成分はまったく使っていません。

吉川 カモミールといっても、着色や香りづけされているものもありますからね。それにしても、なぜカモミールだったのですか。ヨーロッパではハーブの女王とされ、4000年以上も前から重宝されてきた薬草ですけれど、1982年の日本でカモミールに着目するって。まだまだ「オーガニックって何?」な時代だったと思うんですけれど。

北條 「華恋」を始めたのは私の父なのですが、父は自然や環境を意識して仕事に取り込む人でした。そういう人が始めた事業ですから、有機も無着色も自然なことでした。ただ、「無農薬なんてよくやるね」「便利な合成成分があるのに」「非加熱で時間かけて抽出?」な時代だったのも事実です。

吉川 いつの時代も先を行く人が必要ですから。でもお父様、印刷会社の社長さんだったんですよね。

北條 はい。きっかけは喉頭がんを患ったことでした。そのときの治療に選んだのが漢方薬学で、寛解することができたんです。お世話になった先生がカモミールの研究をなさっていて、自身でも漢方やハーブについて学んでいったというのが流れです。あるとき会社の一角に研究室ができ、カモミールエキスの抽出が始まりました。「新しいインクの開発か?」って思った社員もいたかと思います。なんとしてもカモミールの力を伝えたかったんだと思います。

吉川 インク... カモミールのエキスは茶色い液体ですからね(笑)。寛解?ほとんど完治に近い状態になったということですよね・・。もちろん西洋医学だからできることがあります。でもそういう話を聞くと改めて植物ってすごいなと思います。私、たまに「植物って実際効くんですか?」と聞かれることがあります。植物から有効成分を取り出すことができたから、薬学も美容も発展してきました。それに字を見てもりょう然です。草かんむりに楽と書いて「薬」ですから。苦しい体が草でラクになる。ケミカル成分とて、植物成分がお手本です。

第1号商品の入浴剤はブランドを代表するロングセラー。



吉川 この「和の国エブリィ。」は、サロンワークに携わる皆さんの毎日を応援する企画。おすすめする商品も、立ち仕事や接客、手あれを起こしやすいなどのお仕事環境を鑑みて選んでいるのですが、カミツレエキス100%の華密恋の入浴剤はぴったりな商品だと思います。アトピー体質の方にも使っていただけるし。

北條 嬉しいです。

吉川 正直、良い入浴剤はほかにもあります、ありますよ。でもとくに疲労を感じる時、体の芯から冷えを感じる時、質のよい睡眠をとりたい時、私自身も迷いなく華密恋を選びます。何度も助けられてきました。でも、なぜ入浴剤からだったのですか。

北條 老若男女、だれにでも使ってもらうにはお風呂に溶かして浸かるだけの入浴剤が一番いいと思ったようです。日本人は風呂だ、風呂だって。

吉川 確かに、風呂です(笑)。お湯につかればいいんですものね!とはいえ39年も売れ続ける入浴剤はそうはないと思います。製法、まったく変えていないんですよね。

非加熱でカモミールの薬効成分を余すことなく抽出。

吉川 熱を加えると壊れてしまう成分もあるため、比加熱にこだわっているのも。

北條 変えていません。全草(花・葉・茎)使って、非加熱製法で熟成抽出させたエキスにもう一度カモミールを漬け込んで。非加熱にこだわるのは熱を加えると壊れてしまう成分があるからです。実は、こんなエピソードもあります。カミツレは、それまで「カミツレバナ」と呼ばれ、「医薬品用」の植物に分類されていて、日本では、化粧品や医薬部外品に使うことができませんでした。あきらめかけていたところ、当時のハーブブームに押され、1982年に規制が緩和され、化粧品や医薬部外品に使えるようになり、うちの入浴剤も売り出すことができたのです。

吉川 そうそう、こちらの入浴剤は医薬部外品です。ちなみに医薬部外品は、化粧品と医薬品の中間に位置するもの。効果・効能が認められた有効成分を一定の濃度で配合しつつ、作用が穏やかなものをさします。化粧品と違って、効果効能を書き出すことができます。しかも薬、医薬品と違って、そう神経質にならずに、いつでもだれでも、気軽に使えるところがよいですね。

北條 医薬品は購入できるお店も限られます。雑貨店や化粧品店などに置いてもらって、手軽に使ってもらいたいというのが父の思いでした。


花だけでなく、葉も茎も全部使い切るのが「華密恋」流です。





吉川 さっき全草の話が出ましたけれど、一般的にカモミールは花の部分を使うもの。でも「華恋」は花も葉も茎も使っているんですよね。私の知る限りですが他にないです。

北條 父の病気を治してくださった漢方薬学の先生が、カモミールは「茎と葉にも保湿力と消炎力があるから。それを生かしなさい」と。有効成分をまるごと引き出そうということで、全草使っています。

吉川 ホリスティック理論とでもいうのかしら。秀でた一部分だけを使うより、何もかもひっくるめた全体にはかなわない!全部力で勝負!ということですね。この色の濃さはまるごとの結晶ですね。初めて見た人びっくりするんじゃないですか。茶色が濃すぎて (笑)。作るのに相当量のカモミールが必要ですよね。

北條 自社農園では足りないので、契約農家さんにもお願いして全国8県、31ヶ所、有機肥料のみで栽培してもらっています。手間のかかる作業ですが、賛同してくださる方が増えていくのは、すごく嬉しいです。この満開の時期が終われば刈り取り、そして自然乾燥です。

吉川 その刈り取りの時期がわかりやすいのもカモミールの特徴ですね。サインを出しますから。白い花びらを下に向けて。

北條 はい。カモミールの花びらは夕方になると下に下がって、朝になるとまた上がってきて開くんです。だから農場の光景も昼間は白、夜は黄色。パタパタがまた可愛いのですが、花の時期を終えたカモミールは花びらを下に向けたままの状態になります。



カミツレの里にはビオホテル「八寿恵荘」も。
より濃厚なカミツレエキス入浴が体験できます。




吉川 最後に「カミツレの里」全体のご紹介をしておきたいのですが、ものすごく広いんです。そして敷地の中は農園だけでなく、遊歩道や工場、さらに「八寿恵荘」というビオホテルがあります。建材はもちろん、使っている素材はすべてが自然素材。ゲストやスタッフの健康や自然環境に配慮した、化学物質ゼロのお宿です。

北條 池田町は父の故郷。建物はもともと印刷会社の保養所としてあって、一般の方にも解放していました。そもそもは環境配慮型の建築デザイナーの方との出会いが発端で、老朽化によるリノベーションを機にこうなりました。アレルギーに悩む方とか、いろいろな人からの学びで得たすべてが込もった空間です。

吉川 北條さんはさらっとお話していますが、ビオホテルの認証を得るにはオーストリアのビオホテル協会公認の「ビオホテルジャパン」が定める、ものすごく厳しい独自の審査基準をクリアしなければなりません。日本にはまだ3軒しかないんですよね。

北條 そもそも認証をとろうというより、父がいつも話していた「誰もがストレスを回避できる場所をつくりたい」を形にしたらこうなりました。オーガニックな体に優しいものを食べて、お風呂に入って、ただただのんびりするだけの場所ですが、お越しいただければ幸いです。

吉川 そのお風呂ですが、北アルプスの清らかな水にカミツレエキスがたっぷり溶け込んでいます。私はたまたま一緒になった地元の方から「ここのお風呂に入ると孫のアトピーによる肌荒れが和らいで、痒がらずに寝る」という話を聞き、北條さんのお母様からは「お医者様も驚く早さで乳がんの傷が良くなった女性がいる」という話を聞きました。



これからも役に立てるものをつくっていきたい。

北條 そういう話を聞くと、カミツレありがとうって思います。同時に、ひとりでも多くの方の日常に寄り添っていけるブランドに育てていかなくては。そしてインナーケアにも力を入れていけたらと。

吉川 インナーケアは花を煮出したハーブドリンクがありますね。カモミールの整腸作用に着目したものですが、今後エキスも飲用できるようになるといいですね。

北條 ぜひやっていきたいと思います。

吉川 あとお風呂以外で濃密なカミツレエキスの効果を実感しやすいのは、「スキンバーム」ですね。

北條 ハンドケアに、リップケアに、ひじやかかとに、傷に、かぶれやすい赤ちゃんのおしりにと、家族みんなで使えます。一家にひとつ。万能薬のような存在になれれば。

吉川 私も「華密恋」を通して、多くの方にカモミールのチカラを感じていただけたら嬉しいです。さらなるブランドの成長も期待しています。今日はありがとうございました。

北條 こちらこそ、ありがとうございました。読者のみなさんにも、お礼を申し上げます。

(2021.06 撮影・文/野村始子 写真提供/株式会社SouGo)



「華密恋」商品購入ページへ
https://www.kamitsure.jp

ビオホテル「八寿恵荘」についてはコチラ
https://yasuesou.com/

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